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1.5キロのスイムの最終地点は、仮屋の岬の西にある、「魚山人」っていう―― そこは船でしか行けないことで有名な海鮮料理屋さんの前の、小さな砂浜だった。スイムにあまりに夢中すぎて、何人抜いたかとか、考えてもみなかった。でも―― 浜について、スイムスーツと格闘しながらそこに脱ぎ捨てようとしているそのとき、知らない別の学年の先生からかけられた言葉――
「2年、外津ナギサ。現在4位だ! トップとのタイム差はわずかだぞ! がんばれ! まだまだトップをとれるぞ!」
スイムスーツを脱ぎ捨てて。そこに用意したランニングシューズの紐をしっかりしめて――
大丈夫。ここではちゃんと、シューズは見つけた。スイムのスタートのときみたいな、タイムロスは1秒もない。いける! いま4位。だけどここからは、大得意のトレイルランだ! ここから全員、のこらず抜く! ぜったいトップを取ってみせる!
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