孤独のノーナ

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スイーツ城も事件を受けて隊員の身内が沢山駆け込んでくる。 その為元気な隊員が主に少しずつ(さば)く。 「明日香無事で良かった!もう離さないぞ!」 「やめてよお父さん!」 「もうお父さんったら。でもでも明日香が無事で本当に良かった」 上から明日香父の週矢、明日香、姉の今日華。 明日香を心配し日本からはるばるスイーツランドにまで渡って来たのだ。 週矢は明日香に抱きつき頬擦りまでしてくる。 そのヒゲの剃り跡が痛く明日香は拒絶。 今日華はその様子に明日香の無事を喜び、いつもの光景に安堵する。 「(あね)さん良かったっす!姐さんがいなくなったら平松は、平松は生きてはいけなかったっすぅ!」 「ありがとうね平松、しかししかし私は何度でも地獄から這い上がった女よ。ちょっとやそっとじゃ死なないわ!」 そして平松にニコ。 大粒の涙を流し顔をしわくちゃにしてワンワン泣きながら喜ぶ中ニコは漢女(おとめ)らしく気丈に振る舞った。 そしてそしてくるみんの家族もやって来ていた。 「無事で良かったわくるみん」 「お嬢様よくご無事でうぅ……」 「心配かけてごめんね」 くるみん母と従者のヘーゼルも見舞いに来ていた。 スイーツランドでの事件は世界中でも取り沙汰にされており無事を確認しに全国から隊員の家族が来ているようだった。 そしてトーマも。 「トーマ、貴方はちゃんと指揮取れてたの?貴方は頭は良いのに要領が悪いから……」 「チーフなんでしょ?もっとしっかりしないとダメよ!」 「その前に無事で良かったと喜ぶべきでしょーが」 上から梅子、イチコ、トーマ。 喜びよりも皮肉から始まる身内の言葉に対しトーマが突っ込む。 それも家族としての愛情表現だろう。 はるばる見舞いに来てくれただけでもありがたい。
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