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「ノーナちゃん…」
イーダは潤んだ目でノーナを見つめる。
「イーダ先輩とノーナは一緒だね。ノーナも、誰も見舞い来てくれる家族がいないんだ。だからそうでない隊員と家族が仲良くしてるのを聞いているのが嫌だった。イーダ先輩もそうなんだよね?」
ノーナは目を細めて言った。
「鋭いねノーナちゃん。君の言う通り僕には寄り添ってくれる家族がいない。一人も同然だ」
「やっぱりイーダ先輩もノーナと同じ…。イーダ先輩も寂しいんだね。だからだから、ノーナが一緒にいてあげる」
「優しいねノーナちゃん…」
ノーナはイーダとなら独りの辛みを共感し合えると思っていた。
イーダの涙ぐんでいる目を見てノーナは共感を覚えると同時に母性本能を覚える。
ノーナさえ一緒にいてあげればイーダ先輩の孤独も少しは埋めてあげられる。
普段は気が弱く頼りなげにすら思ったこともあったが意外な共通点がある事でノーナも救われた気になった。
ふとそんな時イーダのスマホが鳴った。
「おっとポーネからだ!」
イーダの顔が明るくなりスマホを開ける。
「良かったアイツも治りそうなんだ。1ヶ月後のデートは無事出来そうだな」
とイーダの表情が柔らかくなっているのが見えた。
「イーダ先輩、デートって…」
「あぁ彼女のポーネからだ。彼女とは結婚も視野に入れている」
「そっか…」と言いながらノーナは声を落とす。
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