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ナリ坊は彼をルンペンみたいだと蔑んでいた。
ノーナもそう思った。
(彼とは目を合わせないようにしよう…)
ノーナは極力相手にしないように努めた。
だがしかし…
「お嬢ちゃんも病室から逃げて来たのか?」
と向こうから話しかけられた。
「貴方には関係ありません!」
ノーナは相手にしたくなくてキツく対応をした。
「まあそんなカッカするなよ。一曲聴いていくかい?き〜みの〜笑顔〜が見たい♪」
男はギターを弾く。
よく見ればこの男も所々負傷している。
ノーナは気になった。
「貴方も病室から逃げて来たんですか?」
「君と一緒さ」
青年はウインクした。
「あと俺の名前はヘイズ。みんなは俺を馬鹿にするけど俺はいつかビッグな芸術家になるんだ!」
ヘイズと名乗った男はこう言った。
「芸術家…音楽家じゃないんですか?」
ノーナは皮肉っぽくヘイズに聞いた。
「馬鹿にすんなよ?俺は絵だって書いてるし小説も書いてるんだぜ?」
まさか…とノーナは思った。
「ならそれ見せてくださいよ」
ノーナはジト目で聞いてみる。
「疑っているのか?良いぜ」
ヘイズは証拠になるものをノーナに見せた。
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