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しかししかし、フットは何故そこまで頑張るのだろう。
頑張るにしても頑張るところが間違っているように、少なくともトーマやシエリには考えられた。
フットは日々考えていた。
チイチイの事を。
男と言う生き物は恋する異性の事を考えると何かに覚醒するのか夜も眠れなくなり、ブレーキが効かなくなるものだ。
「チイチイ、チイチイ…好きだチイチイっ!」
フットは日々チイチイに振り向いてもらうために努力していた。
ふとそんな時………。
「もうついていけねー…」
「悪いけど、正義の味方ごっこには付き合いきれないよ…」
雪兎とケタルが匙を投げ出した。
「おいおいなんでだよ!あれだけ乗り気だったじゃないかお前らっ!」
フットは必死に二人の脱退を呼び止める。
「だってだって、お前いつだって仕切りたがるじゃんかよ…」
「正義だけじゃどうしようも無くなる時だってあるんだよ。それに俺達が正義ごっこしなくても警察だっているし…」
雪兎にケタルはそう言う。
「どうしてだよ!どうしてだよおぉ!!」
フットは某藤原○也の如く地面にのたうち回りながら悲鳴をあげた。
ーーー
「はぁアレンの次はフットか…」
チイチイは災難続きで気が滅入っていた。
「まずいわよチイチイ、何か本気にさせる事したんじゃないの?」と煽るニコニコ。
「チイチイも罪な女だねー」
明日香は他人事のようにコーヒーを飲みながら皮肉る。
……とそんな時「明日香さん…」と低く小さな声で呼びかける影が現れる。
ダーーーーっ。
明日香は突如呼ばれたので思考も表情も固まりそのまま飲んでいたコーヒーを滝のように吐き戻してしまった。
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