男のチョコレート

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「ん?買う…?」 明日香はフットの「買う」と言う台詞に引っかかる。 「おいおい待て待て!」 「何すか!?」 明日香は再度フットの手首を掴み彼女の口からはつい男口調が出てしまった。 「アンタチョコを買って(じか)にチイチイに渡すつもり!?」 「そうすけど?」 フットは何だよと言った表情をしてそう答えた。 「甘いアンタは甘いよ!」 明日香はピシャリと指を指す。 「買うとこまでは良いけど更に工程を踏まなきゃならないのよ!いくつかチョコを買って溶かしてそしてそして貴方の気持ちくらいの大きなチョコに仕上げなきゃ。ラッピングも忘れずにね!」 「めんどくせぇなぁ…」 フットはボソリとぼやく。 「それ!それがアンタのいけないとこよ!男はね、包容力が大事なの、わかる!?」 明日香はイラついた様子を見せるフットをズバリ指摘し容赦なく浴びせた。 「良いフット?バレンタインは愛情で勝負よ!もう一度言うけどチョコレートの大きさが愛の大きさなの!そうと決まれば早速チョコ買いに行ってくるわよ!」 「えぇ!?」 そしてそして店に行く。そしてそして何個かチョコレートを買うわけだが。 「ひえぇお金勿体ねえなぁ…」 「何言ってるの愛の為なら身銭切るくらいの覚悟でいなきゃ!」 そしてそして明日香のスパルタ指導で溶かしたチョコをハートの形にしたりラッピングに包んだりし、ようやく本格的なバレンタインチョコを作ることが出来た。 ーーー 「さて後はそれをチイチイに渡すだけね、男は度胸頑張ってきなさい!」 「はいありがとうございます明日香さんっ!」 そしてフットは明日香に背を向けチイチイの元へ走って行った。 「フット頑張れ…!」 明日香はフットの背を見守りそう囁いた。
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