2023年10月22日

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「茶なんか汲まなくったって自販機で買えるし、可愛い女が注いだところで味も栄養も変わらないよ」  良くなるのは気分だけだろう。 「じゅんじゅんは強いな」  関心する夢ちゃんに、この割り切り方はできない。  可能な限り男を頼りたいし、自分をか弱き存在として大切にしてもらうことを求めるからだ。  女であることが強みになるのなら、それを最大限生かしたいと考える。 「この卵焼き、作ったの誰」  聞くのはかっちゃんだ、ミクは黙って手を挙げる。 「味つけが超俺好み」  やってしまった!  次々とかっちゃんは食べてくれるが、母から教わった卵焼きだ。  味付けが父好みなのも頷けるが、気をつけよう。  両親が出会うのは、これからまだ三年も先のことだ。 「我が家も味つけ甘めだよ、ただ糞不味いんだけどね。  親父の腕が悪いせいで」  泡を吹きそうなミクに気づいてくれたのか、山下も卵焼きを食べてくれた。  卵焼きには甘い・しょっぱいがあるらしい。
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