6人が本棚に入れています
本棚に追加
終わり
いつからか、ダンジョン村と呼ばれた村が訛り、壇上村になったとか。
それは歴史の転換期に現れ、消えていく幻。人々は夢のようなものと言い。昔話として語り継ぎ。戒めた。
第2次世界大戦中、かつてダンジョン村と呼ばれ、栄えた村があったそうな。
その村からでた魔石はまさに夢のエネルギーであり、魔石の力をもとに開発された新兵器は、戦争末期の日本を救うはずだった。
現に壇上村へきたアメリカの戦闘機は、次々と撃墜されたのだから。
しかし精神に異常をきたしたダンジョン適合者達が、ダンジョンへ次々と消えていき、地上の適合者が誰もいなくなると、新兵器を扱える者がいなくなってしまった。そして魔石の力もまた夢幻の如く力を失い、終戦をむかえ閉鎖された。
それ以降適合者は、現れず。長い月日が経ちそして今に至る。
異世界の食事処や冒険者ギルド。魔石のエネルギーで走るバイクや車を開発し、販売したり(実際は国の許可や審査等が厳しい!)。
そして空飛ぶ魔動車が、開発されビルが建ち並ぶ村を通り抜けていく。
そんな復興していく村を見ながら、彼がこつこつと築き上げたものもまた―――。
―――そんな事もあったと誰かが思い出し、そして忘れられた。
そしていつかまた歴史の転換期に現れ、人々に夢幻をみせる村が、日本の山奥のどこか廃れた村にあるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!