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やがてサンダーは女性関係が派手になり始めた。何も知らなかったサンダーには女遊びは刺激的すぎて、抜け出せなくなっていった。クラブに出入りするようになったのもその頃からだ。女関係が派手な仲間と付き合うようになり、仲間の勧めで体にタトゥーを入れるようになった。下腹部、腕、太腿。タバコや酒は体に馴染まなかったが、それが女との付き合いにマイナスに働くことはなかった。ラッパーをやっている仲間の手伝いをしていた時期もある。
一度、タウンズビルに来た元同級生とすれ違ったが、相手はサンダーに気づかなかった。マイクロミニのワンピースを着たけばけばしい女の尻を撫でながら歩くのをすれ違いざまに睨みつけられた位だ。
ゴミは道に捨てないし馬鹿騒ぎやクレームもしない、ただほぼ日替わりペースで女と関係を持つだけの自分の方が善良だ、そう内心で言い捨てた。
しかし、その日常は終わりを告げた。会社が倒産したのだ。同僚達はすぐさま転職したが、サンダーは出遅れた。そうこうしているうちにサンダーは収監された。
思えば奇妙奇天烈な人生だった。この青年はどのような毎日を送ったのだろうか。
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