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「で、依頼がある」
ジムはたらふく食べた末に文書を見せた。
「連続青年行方不明事件だが、捜査をして欲しい。担当はサンダーとトムだ」
トムが箸を落とす。
「待って下さい。サンダーは二十き…八ですが僕は二十七です。僕が被害にあったら…」
「僕からしたら似たりよったりだよ」
ジムはニヤニヤ笑う。ジョージとマルチナが肩を震わせる。
「それに二人にしたのには理由があるんだ。まずは文書を読みたまえ」
ジムは意味深長な笑みを浮かべ、二人に文書を渡した。
サンダーの車で街に行き、聞き込み調査をする。十月だがこの州はまだ暖かい。サーフィンにいく若者やへそを出した女もいる位だ。
街に行くと、スーツ屋があった。細身の男性マネキンが着ているスーツに目が行く。
トムはジョージの誕生日が近いことを思い出した。ジョージのスーツは安物でくたびれている。面接の時の一着しかまともなものはない。
値札を見ると、声が出てしまった。トムに貯金はないし給料日はいつかまだ何も言われていない。
「どうした」
「なんでもない、さあ行こう」
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