1人が本棚に入れています
本棚に追加
文章は後回しにして被害者リストを見る。二十人中ほとんどがエリアJ民だ。皆美丈夫で、中には学生モデルもいた。皆身長は百八十を超えている。
「なるほど」
ショーウィンドウに見えるサンダーとトムを見る。
「どうしたか」
「いや、何で俺達が選ばれたかと考えたのさ」
サンダーは笑いながら背中を叩いた。
「わかっていたくせに」
実はトムは文書に今初めて目を通している。何ページにもわたる文書を読むのは苦手だ。脳が拒否する。ジョージがさっさっと文を読むのを見ると、感心すると共に少し引いてしまう。
「被害者は皆どちらかと言うと濃い目の顔のかなり容姿が整った男性。身長は百八十越え。一ページ目に書いてあるよ。あんたどうやって大学出た」
トムの学部の卒業条件は試合で得たトロフィーの数だ。卒業するのに論文がいるなど知らなかったくらいだ。
「はあ、あんた俺の国やエリアPでは野垂れ死んでるよ」
サンダーが呆れながら言った。
最初のコメントを投稿しよう!