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「人生は短いぞ」と社長がシャワーの栓を捻った。シャワーヘッドがこちらに向いて生温かい湯が俺の顔にかかる。思わず後退った。カーテンの隙間から社長が顔を出し「シャイニング」とまた言った。
「嶺岸君の人生は嶺岸君のものだ」
サッとカーテンが閉められた。大人の言うことに従って世間のルールに則って生きる俺にはその言葉がやけに刺さった。そして、その言葉を社長が口にしたことの重みもズッシリと感じた。俺よりも倍以上は生きているはずなのに、見た目は俺と同い年と言われても違和感のない程若々しい社長。どんな深い傷も気が付けば綺麗になってるその皮膚。そうだ、彼はマシーンなのだと俺は改めて気付かされた。
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