59 守将

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「へぇー、ダリウムが出て行ったのにここまで来るってことはアンタら、とんでもなく強いね」 おおー、なんかムキムキマッチョな女のひとが出てきた。褐色の肌に赤い髪、頭には魔人の特徴である2本の角が生えているが、私はパッと見、嫌いじゃないタイプだと感じた。 「アタイはナルミ。4騎士のひとりさ」 深い霧が立ち込める中、高い外壁の上に立ち、私たちを見下ろしている。外壁のてっぺんにある胸壁の隙間から弓兵がこちらを狙っているので、これ以上は近寄れない。 「それで臆病なナルミさん、降りてきて戦ってくれないの?」 「煽るねぇ……まあアタイ的には戦いところなんだけど」 彼女は自分が敗れたら、城下町に暮らす無辜の民が虐げられるので、好きでもない籠城戦に徹すると話す。やっぱり嫌いになれないなこのひと。 「それで、アンタ達はここへ何しに来たんだい?」 「捕らえている人間と魔王を差し出してくれれば、これ以上は攻めない」 サラサの見た目の特徴を説明し。魔王が魔人以外の全種族を滅ぼそうと企んでいることを知っていると話した。 「そうかい、娘の方は返してやりたいのはやまやまなんだけど」 魔王に命令されているため、サラサも魔王の身柄も渡せないと断られた。 「魔人はチカラのあるものに従う。魔王様の命令は絶対なのさ」 「ふーん、じゃあ私が魔王をボコボコにしたら言うこと聞くんだ?」 「おもしろいことを言うね~お嬢ちゃん、やれるモンならやってみな」 交渉は決裂か。でも良い情報を得た。 「ところで私たちの仲間に器用な子がいるんだよねー」 「……それがどうしたのさ?」 「その子、頭のおかしい将軍に魔改造されちゃって、変身魔法が得意なんだよなーこれが」 「アンタたちまさかッ!?」 「魔紋までコピーできるから、見破れるかなーあなた達に?」
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