61 書物の樹

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「私が……うっ」 「サラサ! 無理はしないで」 長いこと鳥かごの中に幽閉されていたからか、サラサはめまいで倒れそうになったので私が抱きとめる。 今の私たちの声にスケルトンが反応しちゃった。一番いいのは光属性の魔法だが火属性でも火力が高ければ倒せるには倒せる。他にも物質に変換するタイプの魔法、例えばロニの岩魔法などでも骨ごと圧砕してしまえば再生しない。 でもここはレオナード皇子の銃光剣に頼ろう。魔力の制限が解かれた皇子の強さはもう常人レベルを遥かに逸脱している。ひとりでスケルトン数十体を相手に難なく破壊してまわっている。 ──ん? んん~~~~~ッ? あれ、いつの間にか私って光魔法が使える? 頭のなかに光魔法が記憶としてある。え……覚えた記憶がないんだけど? まあいいや、とりあえず試してみるか。 攻撃系の光魔法の中でも初歩の初歩……。光粒(フォトン)というビー玉くらいのちいさな光の球を生成し、対象へ飛ばす、というテンプレ的な魔法を試す。威力もアンデッド系のモンスターを一撃で倒すというよりはちょっとダメージを与える的な使い方をするので、光属性使いがこの魔法を実戦で使うことはまずないだろう。 指先に光の球を生み出す。ギュルギュルと回転しているように見えるが気のせいだろうか? レオナード皇子に倒されていない端っこにいるスケルトンに照準を定め、前世でいう拳銃をバンっと撃つような仕草で光粒(フォトン)を放った。一瞬、カッと青白く光って糸を引き、スケルトンをバラバラに粉砕したのち、奥の瓦礫に当たると大爆発が起きた。 ──マジ?
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