68 私の二度目の人生は幸せです

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「はい、それでは17ページを開いて」 結婚式からさらに3か月後、パルミッツ学院では魔法による遠隔授業が再開した。実習や実験などはできないが、学院の建物が2か月後に完成する予定なのでそれまでの応急処置のようなもの。 「では、オポトくん、王国歴95年2月に起きた事件はなんですか?」 「えーと、辺境キドの乱」 「せいかーい♪」 「テンション高いなぁ、シリカ先生は」 「まあ、新婚旅行帰りだからそっとしておこう」 「レオ君、ロニ君、お喋りは慎みたまえ」 「「はーいシリカ先生」」 私はベルルクの街からノートパソコンのような魔法の道具を使って授業を教えている。隣にはサラサが座っており、彼女は私の教え子でもある。 私のお腹には子が宿っている。 この子の名前は女の子ならシノ、男の子ならアールグレイにしようと決めている。 この子を産んで私とサラサの3人で幸せに暮らす予定。もう二度と私の幸せを誰にも奪わせない。 ──そう。 私の二度目の人生は幸せです。      ─ fin ─
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