家出からの〜、住み込みバイト生活!

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「ドレスが無いなら貸衣装屋に行けばいい。近所の娘達はみんなそこを利用するようだから。レンタル代なら出してやる」 「いらないよ。アタシが抜けたら誰が接客やるの。アタシ抜きでランチタイムとディナータイムの激混みをさばけるの?」  ここ2ヶ月、食事時はめちゃくちゃ混む。2時間以上満席状態が続く。ライリー一人で注文を受けて調理配膳洗い物なんてできない。  ライリーいわく、前までは閑古鳥状態で、めったに混まなかったらしい。  こんだけ美味いんだから、味を知った人がリピーターになるのは当たり前。 「だ、だが、王城の命に背くのはだな。1日くらい俺一人でなんとかするから、舞踏会に出たらどうだ。レイラは女の子なんだから、こんな片田舎のレストランなんかより、きらびやかなところがいいだろう。王都にあこがれて何人もこの町を離れていくのを見てきた」 「そんなことないよ。アタシ、ライリーの作るごはんと淹れる紅茶好きだもん」 「す、好きなんて簡単に言うな」  あらま照れちゃって。アタシよりずっと年上なのに、なんて初心(うぶ)なんだろう。 「とにかく、国王主催の舞踏会を拒否なんてできないんだから、行ってこい。レイラも、罪に問われたくはないだろ。運良く見初められたら王妃になれるんだぞ」 「……そこまで言うなら仕方ないなぁ。パッと行ってサッと帰ってくるわ」  まあ素材(カラダ)が美少女のシンデレラでも中身が庶民のアタシだし。王子様に見初められるなんて展開、ギャグ漫画でもなけりゃないっしょ。
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