なんだか怪しいお客さんが来たんだけど、名前を呼んではいけないあの人ですか?

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 昼になる頃、見慣れらないお客さんがやってきた。  長いローブでフードを目深にかぶった、ステレオタイプの魔法使い……いや、名前を呼んではいけないあの人みたいな怪しい格好の人。 「人を探しているんだ。どうしてもその人に会いたい」 「ええと、それはおつかれさまです?」  ここは探偵事務所でもないし迷子センターでもない、ただの小さなレストランなんだけど。来るとこ間違えてないかな? 「レストランならいろんな客が来るだろう。協力してくれ」 「えぇぇ…………」  アタシはどうすればいいか迷って、ライリーに目を向ける。 「探偵を雇うべきでは?」  ライリーもごもっともなことを言う。 「その探偵とやらもどこにあるかわからないから、たまたま目に入ったこの店に頼んでいるんだ」  ライリーがやれやれとため息をつく。 「困っているのに放っておくこともできないか。レイラはこの街の探偵事務所の場所わかるか?」 「まあ一応」 「いったん休憩にしてやるから、案内して差し上げなさい」 「えええぇ………」  雇い主に言われちゃったら従うしかない。それにライリーの言うように、困っているのを放置するのもね。  そんなわけで、名前も知らないこの人を探偵事務所まで案内することになった。
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