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12月、年の瀬を迎えた夜。
救急車だろうか?
音が違うパトカーだな?
そんな夫との会話は、それから数分して異常な事だと気が付く。
連なる消防車とレスキュー車。
山火事?と思ったがそうではなかった。
土砂崩れ。
まあ、この辺じゃあいつものことだと思っていたが、深夜に響き渡るサイレンに何事だろうと思っていたら、生き埋めになったというニュース。一台の車は何とか救助されたもののその前を走っていた車は土砂に埋まってしまった。
週末、買い物へ行くのに使っていた道は閉ざされ、五月までは通れないという話が出ている。
いつもそうだ、対策なんかあってないようなもので、人が死んでやっと動く行政。
人が死ぬたびに政策が変わる道路のり面工事の現状。
国道わきは、コンクリートで固められたのり面が続き、古いものはもろく、 あちこちで崩れたものがそのまま。二次災害、放置したままの人災。
いつも予算で泣かされる過疎地。
起こりべくして起こった本末転倒の慣れのはて。
悔しさより、あきれてしまう現状に心が痛い。
亡くなった方のご冥福を祈る。
元旦の夕方。
テレビを見ていた。
主人がパチンコから帰ってきてビデオを見始めるのにチャンネルを変えた。ブーイングしたその時。
地震警報が二台のスマホ、村のタブレット、P Cから轟音が流れ驚き、玄関へ走り出し、外へ飛び出した。
夫はこたつの中。立つこともできず、思わず、NHKというと慌てすぎて操作できないでいるやつ。
外に出ると大津波情報の放送が流れるも、スマホには震源石川の文字。
ほっとして戻ってテレビを見ると、今まさに、家が崩れ、砂煙が上がっている珠洲市の様子。
声が出なかった。
東北の震災とダブって見えた。
震災後、帰ってみた、変わり果てた田舎の風景とリンクした。
多くの命がまた、消えた。
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