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君は、愛しくて、愛しくてたまらない、そんな顔をしていた。
「……そっか。いい子だね。」
勝てないと思った。君にそんな顔させる人が、愛されてる人が羨ましい。私も、その人になりたかった。辛い。自分で聞いた癖に、この場所から逃げだしたいと思ってる。こんなことなら、聞かなきゃ良かった。いや、そもそも傘を忘れなけば良かった。君を好きにならなければ……
「それにさ、どんなにアピールしても、気づかないし。」
君は、そんな私の様子にきづいていないのか、話を続けようとする。
「もう、いいよ。」
私は、気持ちを悟られないようにしながら、平然と答える。
「そいつの前だと、無駄に緊張して話せないし⋯」
「もう、いいってば!」
私は、聞きたくなくてとっさに、声を荒げた。でも、そんな、私に驚くことなく、君は続ける。
「今も、二人っきりでチャンスなのにどう声をかけていいのかわからないし、相手を怒らせちゃうし。」
「……えっ?」
君が何を言っているのか、理解できなかった。だって、そんなことあるはずない。
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