第6章 革命の夜

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 「もちろん」  ロクは、わたしの手の指に口づけを落とした。  「私の妃となるのは、君以外にはいない」  ロクの金色の瞳が上目使いにわたしを射ぬいた。  この悪魔は。  『強欲』  まさに、『強欲』の悪魔なのだ。  わたしは、声が震えないようにと祈った。  「わたしも、もちろんお受けしますわ、ロクザナ-ル、陛下」  ロクの表情がぱぁっと明るくなる。  ロクは、立ち上がるとわたしを力強く抱き締めた。  「ああ、夢のようだ。クロト、君が私の妻になってくれるなんて!」  わたしは、ロクの背に手を回すと彼のことを抱き締めた。  「わたしも・・」  幸せすぎて涙が溢れてくるのを止められない。  わたしは、泣きながらロクにしがみついていた。  「愛しているよ、クロト」  ロクの囁きが聞こえてわたしは、うっとりとしていた。  ごほん、とライナールが咳払いをして、わたしたちは、現実に引き戻された。  そうだ!  こんなこと、してる場合じゃなかった!  わたしは、ロクから体を離すとロクに頼んだ。  「ねぇ、ロク。わたしをクロフクロストの家族の元に戻して。必ず、あなたのもとに戻ってくるから」  「仕方がないな」  ロクは、嫌そうに頷く。  「ただし、条件がある」  はい?  わたしは、ロクを見上げた。  ロクは、わたしに告げた。  「君を一人で行かせることはできない。だから」  その言葉は、わたしを驚かせた。  「私も一緒に行こう」  「な、何を言ってるんですか!ロクザナ-ル様!」  ライナールを無視するかのようにロクは、笑って続ける。  「幸いにも反対する者もなく。そうだろう?ライナール」  ロクがライナールをじろりと睨むとライナールは、深いため息を漏らした。    そして。  こうなるとロクの行動は速い。  わたしは、動きやすいワンピースに着替えると身の回りのものをマジックバッグに詰め込み、すぐにロクの元へと駆けつけた。  ロクの自室に行くとそこにはサリとライナールもいた。  ロクは、普通のクロフクロスト王国の貴族風の服に身を包んでいた。  ロクは、わたしに手を伸ばした。  「さあ、行こうか、クロト」  「ええ」  わたしは、ロクの手をとった。  「信じられない!」  ライナールが悲壮な悲鳴のような声をあげる。  「一国の王たる者がこんな危険を自ら犯すなんて!これがばれたら、あなたが王位を追われるだけではすみませんよ!わかってるんですか?ロクザナ-ル様」  「わかっている」  ロクは、わたしを腕に抱くとにっと笑った。  「ばれなければ、いいのだ。そうだろう?ライナール」  
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