第6章 革命の夜

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 一瞬、目の前が暗くなった。  次に目を開くと、そこは、慣れ親しんだ故郷の家の自分の部屋だった。  懐かしくって、わたしは、部屋の中をぐるりと見回した。  部屋は、きれいに掃除されていて。  きっと、わたしがここを出てからもずっとかわらず掃除したりしてくれていたんだと思うと胸が締め付けられた。  わたしは、窓の外を見た。  素朴で簡素な、だけど子供の頃から大好きだった庭には、武装した村人たちが集まっていた。  ほんとに戦っているんだ。  わたしは、胸の奥がずきんと痛むのを感じた。  「クロト?」  扉が開いて顔を出したアリサがぽかんとわたしとロクを見つめている。  「なんで?」  「アリサ!」  わたしは、アリサに駆け寄ると抱き締める。  「無事だったのね!」  「クロト・・?」  アリサは、信じられないという様子でわたしを抱き返した。  「ほんとにクロトなの?」  「そうよ!わたしじゃないなら、誰だっていうの?」  わたしがアリサを見て言うと、アリサは、涙を拭いながら笑った。  「そうよね。あのクロトがそんな簡単に死んじゃうわけがないもの」  ええっ?  わたし、死んだことになってたの?  それから、わたしは、ロクをアリサに紹介した。  「この人がわたしを助けてくれたの。ロクザナ-ル・エルド・ランナクルス様よ」  「初めまして。君のことは、クロトにも聞かされたからよく知ってるよ、アリサ」  ロクがにこやかにアリサを見つめるとアリサは、ポッと頬を赤く染めた。  「は、初めまして、ロクザナ-ル様。アリサ・エルダーと申します」  軽く淑女の礼をするアリサにロクは、微笑んだ。  「ロクでいいよ、アリサ。私は、他人じゃないんだから」  「はい?」  キョトンとしているアリサにわたしは、説明した。  「ロクとわたしは、婚約してるの」  まあ、ついさっきのことだけど。  わたしがそう言うとアリサは、すごく驚いた表情をした。  「クロトが、婚約?」  「そうだよ」  ロクがアリサに頷く。  「クロトは、将来の私の妃になる人だ」  しばらく呆けていたアリサは、すぐにはっと気づくと駆け去った。  「ちょっと、待ってて!父様たちに伝えてくるから!」
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