6人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
「かあちゃん、みて、みてー」
「なになに?どこ見んのー?」
「そら!」
「空?」
「うん!ほら!ふわふわのかきごおりがおちてきてんねん。もったいないなぁ…かみさんたくさんつくりすぎはったんかなぁ…」
息子の言う通り空を見上げると、ふわ、ふわり…と雪が降ってきた。
「オカン、そしたら行くわ!社員寮に着いたらラインするし」
東京で新社会人になる息子を家の前で見送る。
「そうして、そうしてー。あと、生存確認に毎日ラインしてな」
「毎日ラインって、どんだけ過保護やねん」
「まぁ、まぁ、まぁ…頼んだで」
「まぁ…うん…分かったわ。そしたら時間やし、行くわ」
「うん、気つけてな…行ってらっしゃい!」
息子の姿が見えなくなるまで手を振って見送っていると、腕に冷たいものが当たる。空を見上げると、ふわ、ふわり…と雪が降ってきた。
(謙介…神さん、またかき氷作り過ぎたはるわ)
最初のコメントを投稿しよう!