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ドキドキのクリスマスデート
朝早くに目が覚めた野々花は、カーテンを開けると思いっきり両手を上げて伸びをする。
今日は気持ちが良いほどの快晴になった。
待ち合わせはお昼前だというのに、待ちきれない野々花はソワソワと準備を始める。
引っ張り出した洋服は、今日のために買ってもらった、チェックのフレアスカートとラメの入ったもこもこのセーター。
瑞樹とクリスマスデートをすると知った母が、大興奮で野々花をショッピングモールまで連れて行って、買ってくれたのだ。
いつもよりちょっとだけ背伸びをしたファッションに、自分でもくすぐったくなってしまう。
野々花は支度を整えると、予定よりも早くに家を出発した。
「きっと瑞樹くんは、まだ来てないよね?」
腕時計を見ながら改札をぬけた野々花は、後ろから声をかけられてドキッとして振り返る。
「野々花、早いね」
笑顔で立っていたのは瑞樹だ。
約束の時間より、かなり早いのに、瑞樹ももう来ていたのか。
「楽しみすぎて、早起きしちゃった……」
野々花は頬を赤らめると、瑞樹の前に駆け寄った。
「俺も」
すると肩をすくめた瑞樹が手を差し出して、野々花の左手をぎゅっと握る。
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