デートの約束

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「行った先がオープンキャンパスでも、はしゃいじゃいそう」  野々花は自分で言っておいて、くすくすと一人で声を出して笑ってしまう。  瑞樹が大学受験をすると決めてから、野々花と瑞樹は一緒にいくつかオープンキャンパスを巡った。  そして今のところ、二人は同じ大学を受験しようと話している。  最終的な志望校は三年生になってから決める予定だが、もともと野々花が第一志望にしようと思っていた大学が総合大学で、瑞樹が希望している経済学部もあるのがその理由だ。 「同じ大学に通えたらいいね」  瑞樹にそう言われてからは、野々花のやる気も俄然アップして、両親が目を丸くするほど意欲的に机に向かっている。  それもあってか、両親は明日のクリスマスデートも「楽しんでおいで」と、笑顔でオーケーしてくれたのだ。 「あぁ、本当に楽しみ……」  野々花はプレゼントと雑誌を枕元に置くと、ベッドの中に足を入れる。  そしてワクワクとドキドキの合わさった気持ちを抱えたまま、眠りについた。
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