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最後に科学者風の男が前に出た。
手には、怪しげな金属棒を持っている。
「ワシがなんとかしてみよう。この金属棒は霊を強制的に成仏させる特別な棒じゃ。ほとんどは悪霊に使うものじゃが、こうなっては致し方ない」
和也は喜んだ。
強制的に成仏させられる棒なら、どんなにこの家に執着していようが成仏してくれるはずである。
「それなら、なんとかなりそうですね!」
「ただ、この棒はかなりの荒療治じゃからの。あまりおすすめできないんじゃが……」
バチバチと火花を飛び散らせる金属棒。
どうやら、霊に直接電気ショックを与える棒のようである。
かなり怖い道具ではあるが、試してみる価値はあった。
「この際、どんな手を使っても構いません。除霊してください!」
「あいわかった」
和也の言葉に科学者風の男は金属棒の出力を最大にした。
とたんに金属棒が金色に輝き、ものすごい数の火花が飛び散る。
「おお、これはすごい!」
和也はのけ反るほど喜んだ。
これなら、どんなに強力な霊だろうとイチコロだろう。
少し可哀想な気もするが、これも安眠のためである。
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