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ランダリン王国の現王の間に呼び出され何事かと思ったが、何となく予想はできていた。国王、王妃、第一王子、第二王子、その他主要な人物が勢揃いして物々しい雰囲気を醸し出している。
ということは、これはあれしかない。こちらとしては望むところだった。
「ゼビー申し訳ない。私は真実の愛を見つけた。よってそなたと婚約破棄をさせてもらう。国王も了承済みだ」
婚約破棄……ゼビーは喜びに胸がうち震えた。待ちに待った婚約破棄!
アホな第一王子フェンリルにしては、前もって王の許可を得るなど上出来だし、全てが上手くいっている。
婚約破棄されるために仕事放棄、悪役令嬢もどき、遅寝遅起きなど様々なことを試した。
それなのに寝ても覚めても婚約破棄されない。がんばって仕事放棄しても第一王子より仕事ができてしまうし、悪役令嬢ぶっても面倒くさくなって、結局は虐め方も雑になってどうでもよくなってしまう。継続してできているのは遅寝遅起きだけだった。
どうしたものかと悩んでいた矢先に、異世界からやってきたという聖女様をのお出ましだ。
異世界ありがとう!
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