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実家に帰ると、もともと義母のことを両親に相談していた為、二人とも離婚したことを喜んでくれたが、浮気相手を妊娠させていたことに関しては憤慨していた。 私としては、そのおかげで離婚がすんなりできたからある意味ではよかったと二人に話すと、確かにそうだと笑い合った。 実家暮らしになるから在宅での仕事だけでも困らなかったが、社会との関わりが欲しくて近くにオープンするスーパーのオープニングスタッフに応募し採用される事になった。 オープンに向けての研修に本社の社員が派遣されてきたがその人は中学の時の同級生でいつもキラキラしたグループにいた浜本潔さんだった。 私は本や漫画が好きで同じような趣味の友人と一緒にいて、どちらかというと地味なグループだからキラキラした潔さんを中心としたグループとはイベント事が無い限り接点が無かったから私の事など知らないと思っていたのに潔さんは私のことを覚えていた。 むかしのことを話しているうちに交際に発展し半年後に結婚をした。 結婚にいい思い出は無かったが一度の失敗でこの人を手放してはいけない気がしたのだ。 さらにその半年後には子供を授かることができ幸せすぎて泣いてしまった。 あの苦しい日々の先に、こんな幸せが待っていたと思ったら元夫との事も私の人生において無駄な時間では無かったのだと思うようになった。 スーパーの仕事は楽しい。 人と接する事もだが、知らない商品を知ることがとてもたのしいし、割引で買えるのもお得感があってショッピング自体がとても楽しく充実していた。 夫である潔さんは同年代からすると出世も早いようで仕事は忙しそうだが、私や娘をしっかりと尊重してくれ、新しい義両親はほどよい距離感を保ってくれるのもありがたく感じるというか、元義母が酷すぎたのだが今の義両親は私を大切にしてくれていることがわかりそれに関しても幸せを感じる事ができた。 娘を保育園に預けることができて、時短でパートに戻ることになった事も嬉しかった。 潔さんは子育てにも積極的に参加してくれるので、逆に休んでほしいと思うくらいだ。 そんな幸せな生活を送っていたある日、元夫が現れた。
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