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レジの先に置いてある電子レンジで弁当を温めながら泉が働いている姿を見る。 あの頃は舞との子供を育てていかないといけないという気持ちでいっぱいで泉の事まで頭が回らなかったし、再婚した時は社内に不倫がバレて降格をし給与も減って自分のこと新しい家族の事を考えていて、他のことには全く気がいかなかったが、思えば俺の都合で泉に仕事を辞めさせて無職の状態で年収にも満たない金を渡して放り出してしまった。 今、冷静になって考えたら俺は最低な男だった。 電子レンジから電子音が流れ弁当が温まった事を知らせた。 名残惜しいと思いつつ泉の姿を再度見てから駐車場に向かい車の中で節約のためにステンレスボトルに自ら入れてくるお茶と共に弁当を食べた。 バランスがいいとは思えない弁当を口に運ぶ。 夜も舞はろくに料理を作らない。デリバリーを頼んだりたまに作ってもレトルトを温めるくらいだ。下手をすると自分は外で美味いものを食べてきたりお菓子で夕食を済ませたりするから俺は実家で夕食を食べたり、インスタントラーメンを煮て食べている。 泉と結婚していた時にはありえない生活だ。 泉はずっとここでパートをしているんだろうか。 経理の仕事をしていた時は、同僚や上司から頼りにされるほど仕事のできた人だが、一度家庭に入ってからの再就職は難しかったのかもしれない。 ひどいことをしてしまったお詫びとして、俺が何とかしてやれないものだろうか。泉に対して罪滅ぼしじゃないけど、助けてあげたいと思った。 いや、助けなければと思った。 今後、出世の見込みもない配置換えで新たなルートを回るのは面倒だと思ったが、ここで泉と再会できたのは運命だとしか考えられない。
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