隣にいるのは

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『……ずっと。ずっと莉子が好きだったよ』  昨日、思いがけず湊人から告白されてしまった。  幼なじみの湊人は、登校班では副班長で。  いつも後ろを守ってくれていて、そばにいるのが当たり前だった。  だからまったくそんなこと、想像もしていなくて。  びっくりして……だけど、嬉しくて。  でも返事はできていない。  だって、なんて言ったらいいのかわからなかったから。  ふと、湊人と視線が合ったら、その瞬間のことを思い出して、思わず顔じゅうから汗が吹き出しそうなくらい熱くなった。 「莉子ちゃん、どうしたの?」 「うっ、ううん! なんでもないよ! さ、行こう、行こうっ!」  きょとんとしたあやちゃんをくるっと方向転換させて、私の後ろで並ぶよう誘導し、すぐさま出発した。 「ちょっ、莉子ちゃーんっ! はやいよー」  あやちゃんの声で我にかえり、急ぐ足にブレーキかけた。  とはいえ、これ。どうやって湊人と顔を合わせればいいの⁉︎  めちゃくちゃ恥ずかしいんですけどっ!  これからどうしたらいいのーっ!?
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