黒と白

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 次の日の朝、村には人っ子、ひとりいなくなっていた。  空腹感もなくなっていた。  お腹いっぱいに満たされ、食糧を食べてしまったことへの罪悪感もない。  本能のままに食糧を食べ、美味いと感じ、空腹が満たされていくことに、心が満たされていった。  ふと鏡に映る自分の姿に目を見開いた。  そこには、尖った耳と、鋭い牙を生やした獣がいた。
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