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黒と白
いつも通りに過ごしていたある日、異変が起きた。
何を食べても、足りない。満たされない。
あの夢で感じた満足感を味わいたい。満たされたい。
ボクの中での空腹に限界が来ていた。
「人肉を食べろ」、と囁き声が聞こえた。
「そんなことをしてはいけない」、とまた違う囁き声が聞こえた。
「お腹を満たしたいだけなんだ」、「それで人肉を食べていい理由にならない」、「じゃあどうしたらいいんだ」、「我慢するしかない」、「我慢なんて散々してきた」、「また家中の食べ物を食べつくせばいい」、「食べたら食べたで吐くんだ」、「そしたらまた食べればいい」
うるさい、うるさい、うるさい。2人の囁き声に頭がおかしくなりそうだ。
頭が、身体が、心が、言うことを聞かない。
もう限界だ。
「ボクは悪くない」
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