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PVP対戦再び
「………フッ」
「本当に同じ生き物か?」
どれだけの時間が経過しただろうか。アンノーンは愉しそうに嗤いルシファーは驚愕していた
どれだけ経過しても体力の限界を迎えることなく集中力も切らさない。むしろ動きがどんどんと冴え渡っていくのだから
「10っ………匹!!」
躱すと同時に角を掴みゲージへと放り投げるミロ。一角兎は抵抗することも出来ずゲージへと収納されていった
「ちゅ、ちゅかれたぁぁぁ!!」
駄々をこねるように床に大の字に転び全身で呼吸をする。だが、その表情は何処か嬉しそうで満足感に満ちている。そんなミロにアンノーンは水を渡す準備をして起き上がらせた
「どう? 達成感ハンパないでしょ?」
「ヤバい♪最高に気持ちいい♪」
「そのネックレスはもういらないね」
アンノーンはミロを起こしてネックレスを掴み力ずくでミロから奪い取り握り潰す。その瞬間にミロの体は一気に軽くなって付ける前よりも軽くなってる気がした。もしかしてと思いステータスを確認すると俊敏の値が増えていたのだ
「………おぉ! AGIが5も増えてる!」
「AGIは大事だからね。攻撃にはAGIも関係してくるからさ」
「次のし………」
《スキル、未来予測の獲得条件を満たしました》
急なアナウンスに一瞬固まり笑みを溢す。中々良さげなスキルを手にしたことによりミロは愉しそうに嗤ったのだ
「気に入って貰えた?」
「うんうん。あんがと♪」
「本当は次の試練は別のを考えてたんだけどさ? あいつが用事があるってさ」
ルシファーが親指で突きつけた方向にはルシファーがいる。ミロを静かに見詰めている。そして、静かに歩みより声をかけてきた
「俺の傲慢のスキルが欲しくないか?」
「欲しい。寄越せよ」
「やはりお前はいい。ならば俺の傲慢のスキルを全てレジストし生き延びてみろ!!」
「OKOK♪ドンと来いだ!!」
『止まれ』
さっそく仕掛けてきたルシファーの傲慢スキルをもろに受けてしまい動けなくなるミロ。そんなミロの心臓をルシファーの手が貫き一瞬で絶命する。そして、直ぐ様リボーンしてルシファーを睨んだ
「ちと卑怯じゃない?」
「負けたときにそうやって言い訳するのか?」
「ミロちゃんは今の言葉でカチンと来ました。かかってこいやぁ!!」
二人の戦いは激しくなり何度も殺されるミロ。それを嬉しそうに眺めるアンノーン。そして、六人の影がそこにあった
「お前らもあの子が気に入ったの? それとも気にくわないのかな? 七つの大罪全員の試練か。ならば壊せ! あいつをあんたらの大罪で潰してみろ」
「「「「「「御意に」」」」」」
アンノーンは全員がミロと言う人物を認めたことに嬉しく思う。いや、一人は殺すつもりで、一人は実験として、面倒そうなのもいる。其々が其々の思惑で動こうとしてるのにアンノーンは愉しそうに嗤って去っていった
「愛されるのは罪。崇拝もまた重き罪なんだから」
凄まじい破壊音や奇声が聞こえるなかアンノーンは消えていった
そんなこんなで平和な日々? は過ぎていく。全員が密かに鍛え上げ来るPVP対抗戦に向けて奮闘していたある日だ
《第8回PVP対戦が始まるぞい。勇者よ、今こそ立ち上がり頂きに上り詰めろ! 頂上に立つことが許されるのは一人のみ。勝って勝って勝利し続けるのだ!! 》
「「「「「!!」」」」」
全プレイヤーがこの時を待っていた。自分こそが最強だと証明する日だ。ギルドJKもこの日を待ちわびていて上級に上がらなかったのは全ては対抗戦のため。スコタディは今度こそ覇者の称号を取ると固く誓っていた
「遂に来ましたね」
紅茶を楽しんでいたスコタディはゆっくりとティーカップを置いてルールを確認する
PVP対抗戦は毎回試合内容が変わりそれに合わせてルールも変更されると聞いてるからだ
「………これは面白いことになってますね」
一対一の試合形式。負けたら即終わりではなく三回負けたら終了
対戦相手は自分で申請し相手が了承すると始まる。申請するか申請されるかのどちらかがない限り対戦は始まらない
対戦申請が複数ある場合は自身で選択し対戦相手を選ぶことが出来る
対戦申請が通らない。又は、申請が来ない場合は強制的に試合が始まることになる
その場合、同じく申請が通らない者同士での戦闘となる
アイテムは原則禁止。魔物の使用も禁止。スキルは一回の戦闘ごとに回復するので制限はない
装備による制限もなしで戦闘中の禁止行為もなし
三回負けた時点で強制終了となり観戦エリアへ移動することが可能。観戦エリア以外でのリアルタイムでの観戦は不可。全てのPVP対抗戦が終了した後でアーカイブで見ることは可能
これらのルールを見てスコタディは数秒だけ思考の海にダイブした
これは明らかに有名人………つまり、強いプレイヤーにとって不利な状況に陥ってると見えるのだと
これは明らかに強いものにとって有利な戦い。弱者が強いたげられ明らかに下がってろと言わんばかりのルールだ
チャンスが三回あるように見えるがないに等しい。これは強いものだけが優遇された処置で弱いものは弱者同士で勝手に戦い落ちていけと言ってるのと同義
強いものは強いもの同士で戦い、相手の戦いを学習し対策を練って勝ち進め。スコタディは運営のルールをそう読み取っていた。それは遠からず当たっていて実際に本当に強い者だけが生き残って欲しいと考えての事だった
これに気付いたプレイヤーは多く自分が優勝すると意気込んでいた。誰が優勝するかわからないPVP対抗戦。その舞台がまた幕を開けたのだ
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