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それぞれの戦い
スコタディとトレインが対戦してる頃、ミロもまた対戦相手が決まり飛ばされていた
それは、ミロは望んでいなかったが対戦相手が何度も望んでいたこと
対戦相手は何度もミロに対戦申請を送り無視され続けた結果、運営が気を利かして巡りあわせたかもしれない相手だった
「やっと………やっとあの時の屈辱を返せる。覚悟しろ！！」
「寿限無かぁ。しつこい男は嫌われるよ？ 弱い奴とはやりあいたくないんだけど」
「俺があの時のままだと思うなよ？ 誰がNo.1か再度教えてやる！！」
そんな二人が再度戦いの火花を散らしていた。寿限無にとってミロは因縁の相手であり自分と言う絶対的な存在を消し去ってくれた敵。これで負けてしまったら寿限無は完全に敗者として認識されてしまうことになる。それでも負けたままでは終われない。だからこそミロとの対戦は心から望んでいたのだから
そして、もう一つの戦いが始まったのが………
「けっ！ てめぇかよ！」
「俺が言いてえわ！ 男とやりあう趣味ねぇんだよ」
オックとしゃっくりの二人が奇しくももぶつかる。実はこの二人、犬猿の仲でギルド内では基本的に会話はしない。何故ならしゃっくりの崇拝しているスコタディが頼りにしてるのはオックだからだ。何かを相談する時は基本的にオック。だからこそしゃっくりはオックのことを嫌っており殺したいほど憎んでる。そんな殺意を向けられてると知ってるからこそオックもまたしゃっくりが嫌いだった
そんなことになってるとは露知らず、スコタディはトレインとの対戦に苦戦していた
見えない敵に見えない攻撃。来るとわかっていれば対策も打てるがタイミングが全く不明だ。わかったことは攻撃する瞬間、ステルスのスキルは効果を発揮しないらしく姿を表してくる。だが、銃弾が放たれた瞬間には消えて直ぐに移動してしまう。しかも、トレインはかなりの切れ者。何処に現れるか予測されてることを計算して動いている。時には遠くから、時には目の前から攻撃してくるのだから大胆にも程があった
「………ﾌｩ」
サイレンサーというスキルはどうやら攻撃音を消す効果を持つのがわかった。これにより反応が一瞬遅れ対処が難しくなっている。それ以上に解せないのがスキルの効果時間の長さだ。先程から効果時間が切れるのを神経を尖らせて避けるのに集中して待ってるというのに切れる様子がない。明らかに不自然で異常でしかない
「これは明らかに切れませんね」
それは悲しくも当たっていた。この力を早くも手にしたからこそトレインはニコを覇者にすることに成功していた。言うならば陰の実力者。ニコが光ならトレインは闇。ニコの為ならばどれだけ自分を犠牲にするのも構わない。それがトレインと言う男なのだ
「切れないのなら見付けるだけ。この世界から消えたわけではないのですから！」
『効果範囲増強』『範囲:極大』『付与:爆破』『弾数×１００』『威力:極大』『バーニングボール』
魔力を一気に使い見える範囲を全て爆破する強行手段を用いたスコタディ。その攻撃は見事に的中しダメージエフェクトが飛び交いトレインが姿を表してしまった。どうやらステルスの効果は攻撃を受けてしまうと切れてしまうらしく慌てるように逃げるトレインがいたのだ
「逃がしません！」
『ヴェノムスプラッシュ』
それは逃げ場のない毒の嵐。だが、スコタディは追い詰めたつもりでいるが一つ忘れている
トレインは狙撃手でもありタンクと言う妹を守る鉄壁の盾でもある
攻撃力の低い上にスピードが遅い攻撃などどうにでもなるのだ！
『ビッグシールド！！』
トレインの二倍以上の大きさの盾がトレインを守り攻撃を防ぐ
これがトレイン
正確で冷酷無比な狙撃。そして、どんな残酷な攻撃からも仲間を守護する鉄壁のガーディアン
戦うのが怖いから攻撃される恐怖がない狙撃手を選び、妹を護りたいと言う理由で勇気の必要なタンクを選択した
臆病さと勇敢さを併せ持つ男。それがトレインと言う矛盾した人間だ
「………クス。やはりトレインさんは最高です」
「す、スコタディちゃんにだって負けないからね」
「えぇ！ 是非、トレインさんの全てを私にぶつけて下さい！」
『弾数×３０』『サンドスラッシュ！！』
激しい攻撃にビッグシールドが破壊されてしまう。だが、盾が破壊されても第二、第三の盾を用意するのがトレインだ。彼は勇敢な男ではない。臆病な弱い人間なのだから
『ダブルシールド！』
「これならどうですか？！」
『弾数×３０』『ファイアーボール』
「それは駄目だよ！ 俺には通じない！」
『武装変換。機関銃！！』『爆裂弾装着』
ファイアーボールが大爆発を起こすのはまだいいがスコタディの近くで爆発されるのは嬉しくない。ロックアームで爆風は防げたものの視界からトレインを見失うことをしたくはなかった。その証拠にまたトレインは姿を消したのだから
「………」
これは長期戦になる。トレインの強さの秘密。それを暴かない限り効力は難儀なものになるのだから
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