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ミロVS寿限無 決着
強さとは
それは多くのプレイヤーが未だに求めているものだ。単なる腕力なのか、戦う技術なのか、精神を指すのか。それは誰にもわかっていないがわかっていることはある
それは強いものだけが勝つ。そんなシンプルな答えを全てのプレイヤーが共通認識として捉えていた
「それは?」
「妖刀村正を超える妖刀村雨。お前を倒すために手にした武器だ!」
「そっ。楽しませてね?」
寿限無は完全に強さと言う不確かなものに取り憑かれてしまっていた。中級のなかでNO.1。それは誰もが憧れる王座の椅子。それを独占し称賛され賛美を送られる。誰もがへりくだり寿限無が設立したギルド、倭国の加入を求めてきた
だが、今はどうだろうか。一度だけ。たった一度だけ敗北しただけだと言うのに名声は地に堕ちギルドの加入者が目に見えて大きく減少した。称賛の声は嘲罵や悪罵へと変わり笑い者になった。賛美も侮蔑や軽侮へと変わり小馬鹿にされてしまう。そんな状況が耐えられなかった
ランキングは未だ一位のまま。なのに、何もかもがドン底へと下落している。最高だと思ったギルドメンバーも二人も脱退し加入しても直ぐに抜けていく。何故なら加入してきたものは寿限無が誰に負けたか知らなかったからだ
今や飛ぶ鳥を落とす勢いで名声を上げているのは屈辱の相手、ギルドJK。その名は中級の壁を越え超越者まで届いてるのは有名な話となっている。何故なら女神マリアージュを怒らせたのだから
中級で満足し強いものには手を出さない倭国と違い超越者だろうとお構い無しのJKとの差は大きいだろう
比較する相手が悪すぎた。何故ならリアルJKに負けてしまったのだから残酷とも言えるかもしれない
『四乃太刀。残光』
村正は攻撃スキルのクールタイム大幅減少の効果を持つ異常な力を持っていた。だからこそ、その上位と言う村雨にも警戒していた。そんな時に距離があると言うのに攻撃技を放ってきたのだ。それもスピード重視の攻撃スキル技を。ミロは慌てるようにしゃがみ横へと飛んだ
「距離無視?」
「逃がさん!」
『四乃太刀。残光 連』
「う、嘘ぉ?!」
慌てるように駆け出すミロはPVP専用のフィールドを走り抜けて必死に逃げる。止まれば即死亡の攻撃が連続で放たれてるのだ。こんな理不尽なことが許されていいわけがないのだが、現実的に行われてるのだから受け止めるしかない。逃げるしかないのが気に食わないが受け止めることが出来るならそうするのだが試すには少々恐ろしい攻撃だ
「ミロちゃんビックリだよ!」
未だに攻撃は止まることなくフィールドを駆け巡るミロは何処か愉しそうで笑いながら避け続けていた。だが、寿限無からすれば面白くない。更に攻撃スピードを上げてミロを追い込んでいく
「およよよよよよ!!」
あまりの攻撃スピードに少しずつ追い込まれていくミロ。そして、遂にバランスを少しだけ崩した。寿限無はそれを見逃すほど愚かではなかった
「やはり俺の方が強いんだ!!」
剣を振るった。もう逃げることは出来ない。だが、寿限無はその瞬間を見逃さなかった。ミロが嗤ってる顔を
パクっ!!
そんな音が辺りに響きミロは何かを咀嚼し食べている。呆然に取られてしまい立ち竦む寿限無。そして、ミロは苦そうな顔をして不快そうに吐き出そうとしていた
「不味っ! 妖刀の攻撃だからか美味しくない」
「た、食べたのか?」
「うん♪返すね?」
『四乃太刀。残光』
寿限無の左腕が吹き飛び切り落とされてしまう。何が起きたのか斬られた本人はわかっていない。それほどまでに謎の行動でしかないのだ
「お、俺のスキル?」
「どうでもいいけど回復したら? 楽しませてくれるんでしょ?」
「回復アイテムの使用は禁止だ!」
「あっ! めんご」
左腕を斬られたのは痛いが刀を持ってるのは右手だ。まだ戦えるので問題はない。だが、何故か自分のスキルを使ってきたのかが謎である。一回だけなのか、何回も使えるのか、そこらを確認しなければならない。間違いなくミロもまた進化してるのだと認識した
「だが、攻撃の隙を与えなければいいこと!!」
『四乃太刀。残光 連』
「………はっ?」
スキル名を唱え刀を振る。それだけでスキルは発動し効果を発揮してくれる。だから発動しないと言うことは発動条件を満たしていないかLPやMPが足りない。だが、妖刀村雨の効果はスキルを一つだけ最大Lvまで上昇させる。寿限無が選択したのは四乃太刀。残光。ミロは防御力が低くスピードが高いので最も効果が高いのはこれだと確信したのだ。そのスキルが何故か沈黙し発動しなかったのだ
「だめだめ。もう食べたから私のだよ」
「はっ?」
「もしかしてさ………このスキル頼りだったりする?」
「………」
「あー。そか。マジめんご!! ちょっと期待しすぎてた!」
その瞬間、寿限無のなかの何かが崩壊した。ミロに勝ちたい。その一新で必死に努力した。手にした結果この妖刀村雨と言うスキルの刀だ。所有してる全ての攻撃スキルをクールタイムなしで発動させ一つだけだが最終Lvまで上昇させてくれる効果を持つ。かなりの暴力的な効果を持っていてデメリットも妖刀ならではのLPをガンガン消耗していき最終的には使用者の命を奪う。それだけに四乃太刀。残光に絶対的な自信を持っていた。なのに、期待しすぎた。つまり、ミロからすれば雑魚だと言われたのと同じ。もう同じステージに立ててないと言われてしまったのだ
「お、おれは………」
「寿限無でもこの程度か。バイバイ」
四乃太刀。残光 連を使ってミロは寿限無を攻撃した。寿限無は抵抗することも出来ず光の欠片となって消えるのだった
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