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後日談
俺はあれ以来、星と付き合い出した。
けれど、やらないといけないことが山積みで、なかなかゆっくり二人で過ごす時間が取れなかった。
「なー、流夜。終わったからいいだろ?」
無事にそれなりにまともな送辞を卒業生に届けることができて、卒業式を終えた後だった。
生徒会室に戻り、二人になると、星は甘えたようにくっついてきた。
「星、さん。でも次は入学式控えてて」
「何だよ。次は俺が新入生に向けて喋るし、余裕だろ。怖気づいてるんじゃないか?」
「ゔっ」
星は付き合い出したら、かっこよさはもちろん健在しているのだが、そこに甘えん坊な可愛らしさも加わり、破壊力を増した。
だが、おねだりしてくる内容はそんな可愛いものではなく。
「だって星さん、いきなりはムリですって」
「何だよ。いいだろ。ほら」
「あっ、ちょ……やめっ」
星の手が俺の太腿を撫で、股間をきゅっと握り込む。それだけで俺は背筋がぞくぞくして、自身がぴくりと反応するのが分かった。
「ほら、お前も喜んでんじゃん」
「しょ、うさん。だから俺は、せめて段階踏んでって、いっ……ンう」
文字通り言葉を奪われ、俺は一瞬、何が起こったか分からずにぽかんとする。
「ほら、キスはしただろ。だから、な?」
ギラギラした目に囚われ、身動きができないでいるうちに、星は俺の服に手をかけてきて。
「ちょっ、星さん。だから、まっ」
「持たない」
「星さん!」
俺と星の攻防はしばらく続き、堪忍しかけた時に、忘れ物を取りに現れた修太郎に助けられた。
「何やってんだお前ら」
あの冷静そうな修太郎が珍しく顔を赤らめ、大声を上げた時、窓の外で一羽の鳥が飛び立った。
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