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冬物セールは熱い
姉の予想では今年の冬はうんと寒いそうだ。
「姉ちゃんの勘はあたるんだから!」
「知らないよー。」
スーパーの冬物セールに熱心な姉である。
「えっこれは!」
「もういいよ、買うよ。」
根負けして買い与えてしまうのはなぜだろうか。
僕だってこんな冴えないおばちゃんじゃなく綺麗なオネエサンにあげたいもんだ。
「まぁ優しいのねー。」
今日1番の笑顔だ。
「その湯たんぽ前から欲しかったんでしょ。」
いつものスーパーで置き忘れられたようにあった、柴犬のカバーがついた湯たんぽ。
たぶんあの如何にもダサいセンスにおばちゃんたちもたじたじだったんだろう。
「言っとくけど自分用にしてよね!」
「ちがうよ、文ちゃんが寒くないように。」
「あーもー、分かった分かった、使います。」
かくして柴犬湯たんぽは我が家に迎え入れられた。
今日はそれをポカポカにして二度寝してやろうと思う。
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