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どちらかと言えば、自分は感受性が強いタイプだと、波瑠は思う。
当時受験生だった波瑠は勉強に行き詰まりを感じていた。親も先生も友達も皆が頑張れと言う中で、彼だけが心の拠り所だった。
「頑張り過ぎてない? 一息入れよう」
カフェラテの湯気の向こうで、彼が微笑む。
志望校に合格できたのは、きっと彼のおかげだ。
入学後間もなく、同じサークルに入会した同い年の恋人ができた。
きつすぎる位のキリッとした目元と、外国人のように通った鼻筋は、どことなく彼に似ているような気がした。彼の存在は恋人も知っていたはずだが、付き合って二年が過ぎた今も時々会いに行っていることは内緒にしていた。
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