【シワクチャの思い出】

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【シワクチャの思い出】

廃れた家に 声微か(かすか) ふと下を見る 脱力した両手が 萎びた(しなびた)肩から ぶら下がっている シワクチャの ボロボロの 手の皺 ああ、そうか 君がいたからか 淀んだ部屋に 声朧ろ(おぼろ) ふと横を見る 気怠げな服が 枯れたハンガーに ぶら下がっている シワクチャの ボロボロの 服の皺 ああ、そうか 君がいたからか シワクチャの 右手で シワクチャの 写真を そっと大切に 陽の差す部屋に 声流浪(るろう) ふと前(鏡)を見る 無気力な顔が 朽ちた首の上に 乗せられている シワクチャの クッキリとした 顔の皺 ああ、そうか 君がいたかからか 刻まれている 思い出は深く
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