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それが本場のフランクフルトですか(# ゚Д゚)
ギョッ──っとして、身を退こうと動いた僕を、しっかり捕獲したエリアスは、僕の大腿に手を伸ばし、無遠慮に撫で摩って来た。
「──ちょ……辞めて下さい、何のつもりですか?」
小声で窘めると、口唇に人差し指を当て『しっ──』と、返された。
「知りたいんですよ……貴方を──」
遠慮の無いエリアスの指が、スラックスのジッパーに掛かり、これがドイツ式の挨拶なのか? いやいや、まさか、完璧に変だし……と、混乱しながら、
「駄目ですって、こんな所で──」
小声で制し、『ヘルプ ミー』心で救いを叫び、前方助手席の折原を窺ったが、後部座席の僕が、こんな窮地に陥ってるとは知らず、何処のビールが楽しみだとか、やっぱり『アテ』は、フランクフルトですかね? とか、現地の運転者と陽気に盛り上がっていた。
(──僕の『フランクフルト』のピンチなんですぅ~)
ガハハ──と下品に燥ぐ折原の後頭部を睨み、心の中で救済を叫んだ僕は、股間を弄る指を必死に払った。
懸命の抵抗に指を止めたエリアスは、口唇を歪めて笑い、
「……じゃぁ、何処なら良いんだよ?」
禅が宣うような、粗雑な口振りで揚げ足を取られ、答えられず口籠ると、
「日本に……『恋人』でもいますか?」
「え……あ、あの……」
突然の問い掛けにどう返した物かと、僕を困惑させた。
「──二人の秘密にしたら……良いじゃあ無いですか」
常套句に絡め、『旅のナニは掻き捨てです』と耳打ちすると愉しそうに笑った。
「何てこと、言うんですか」
前方に聞かれないよう小声で叱責すると、聞こえちゃいませんよ──と言う具合に無視され、エリアスは僕の背中に腕を回した。
「どうですか? これ──味わってみたくは無いですか?」
見事に怒起したイチモツを、僕に誇示して見せた。
「……日本の彼のモノより──粗末でしょうか?」
急に、深く傷付いたような表情を見せるから、
「そんな……、グランスの盛り上がりと言い、重量と言い、大変ご立派です──」
思わず目にした儘を、素直に口にしてしまった。
僕の賛辞に瞳を耀かせたエリアスは、微笑みに自信を漲らせ唇口を寄せて来た。
「貴方と私、二人だけの秘密を持つんですよ──」
迫る口唇から驚いて逃げた僕は、
「いや、いけません。駄目ですって──」
エリアスの筋肉質な胸に、抵抗の両手を衝いた。
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