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私の祖母はかなり凄い力を持った霊能者だった。娘となる私の母も霊能力は持っていたが、祖母ほど強くはなかった。最も、祖母の場合、隔離された集落で、かなり厳しい修行を積んで、自分の力を強くしたとのこと。
祖母は母に強い霊能力を身に着ける事は望まなかったとの事だった。
基の力も弱いので、厄介な存在から回避することだけを教え込んだのだ。
私の場合、祖母の血をかなり受け継いだのか、力がかなり強いとのこと。
今のままでは、邪悪な存在に取り殺されてしまう可能性があり、修行を積んで邪悪な存在とやり合えるだけの力をつけるか、何処かの隔離された集落で静かに一生を過ごすかのどちらかを選ぶしかないと言われた。
邪悪な存在は自分達を見つける力を持っている者も狙い、取り殺そうとするのだ。
今までは見て見ぬふりが出来たけど、奴らに力の存在が気づかれてしまった以上、負けずに戦うか、逃げるかの選択肢になってしまうのだ。
ただ、修行を積む場所も逃げる場所も同じ所になると言われた。
そこで、修行を積むか、そこで一生を終えるか選べば良い。そこは燐が自由に決めて良いと言われたけど、何故、私の一生が二択しかなくなってしまうのか。このまま普通の人達と一緒に生活をしていくことは出来ないのかと聞き返す。
母の話によると、私達の不思議な力は、遺伝によるものだと。時折、かなり強い力を持った者が生まれてしまう時がある。それが私であり、祖母だったのだ。
その強い力を取り込むことによって、邪悪な存在はかなり強い力を得ることになってしまい、この世にかなり大きな災いをもたらすようになってしまうので、強い力を持った者は、邪悪な存在と戦う事が出来るようになるか、邪悪な存在の力の及ばない世界で一生を過ごすかのどちらかになると言われた。
私は母に連れられ、隔離された集落へと連れて行かれた。
母からは、本当はずっと私と暮らしたかった。
と言われたが、いずれは、私の存在は奴らに見つかってしまっただろう。そうなってしまえば、普通の人達との生活なんて望むことは出来ないのだ。奴らに取り殺されないように、自分の力を守らなければいけないのだから。
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