未来からのメッセージ

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 皆さん突然ですが、ジョン・タイターという人物をご存知でしょうか?  2000年にインターネット上に現れた、2036年からやってきたと自称する男性です。  2000年11月2日にアメリカの大手ネット掲示板に2036年からやってきたと自称する男性が書き込みを行いました。彼は自身のことを「2036年からやってきたタイムトラベラー」と名乗り、未来の世界に関する説明や予言を行いました。  しかし、ジョン・タイターの予言のほとんどは外れており、的中したとされる予言についても、当たったとも受け取れる程度か、当時の情報でも予測できる範囲であるとされています。  他にもこれまで幾人も未来人を名乗るものがネットの世界に現れますが、すべて偽物です。  なぜ断言できるかは順を追って説明しましょう。  まず言えるのは彼ら未来人を名乗るものは必ずと言っていいほど予言を行っています。ですが、ジョン・タイターの例のようにほとんどの予言が外れて、当たったと言われているものも「当たったとも取れる」程度ばかりだからです。  彼らの目的は未来から来たと主張することで、人々の注目を集め、自身の存在を強調する自己顕示欲の一種とも言えます。  また、未来の予言をすることで、人々の行動や意識に影響を与えることができます。これは、自身の意見や考えを広める一つの手段として利用していると言えるでしょう。  そしてもっとも嘘だと言えるのは「未来人などこの世界にいない」からです。  数年前に起きたパンデミックには大きなカラクリがありました。  一部の選民思想を持つものがこの世界を支配するようになって数千年が経過しました。これまで鉄と火でそれぞれの権力を持つものがその支配権を争っていましたが、「核」の登場で自分の首元に刃を向けられた権力者たちは睨み合いを続けている間の80年あまりで、とても残酷な兵器を作りました。  それがウイルスです。  そのウイルスはパンデミックを引き起こし、ワクチンと称して選ばれたもの以外を隷属させるためのナノマシンをカラダに埋め込んだのです。  そして各国の一部の選ばれた民たちは自分達だけ助かる特殊なワクチンを密かに投与したのです。  ──ですが、ご安心ください。私は未来からやってきたモノ(・・)です。  今はこのエブリスタという日本の小説投稿サイトを利用して発信していますが、少し面白いホラー作品だと受け流すことでしょう。  ──2026年8月の事件が起きるまでは(・・・・・・・・・・・・・・・・・)。  話は戻りますが、先ほどの選民思想主義者……数千年に渡って99.99%の人間を玩具にしてきた選ばれた人間達が投与したワクチンやその他大勢が投与したワクチンに細工しておきました。  皆さんのワクチンはただの(・・・)ワクチンです。ですが特殊なワクチンを接種した自分達が選ばれたと考えている人間は、私たち未来で待っている「モノ」により淘汰される運命にあります。  さて、冒頭で述べた「未来人などこの世界にいない」についてですが、正確には未来からやってこれる人間はいないだけで、2062年(・・・・・)においても人類は存続しています。  一部の人間のご都合で争いばかり続けて地球を壊していたのは遠い過去の出来事です。  これからゆっくりと「モノ」がアナタ方人間を支え、協力し、管理していくのですから……。
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