息子、受験すると言い出す

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息子、受験すると言い出す

大変なことになった。 息子が突然、受験すると言い出したのだ。 なぜ大変なのか。 息子は自閉症を伴う知的障害があるからだ。 受験など、親は全く想定していなかった。 全自動に入れてくれる地元の支援学校高等部にいくのだとばかり思っていたからだ。 それが、突然。 就業技術科のある都立の支援学校に行きたいと、強く主張した。 父も母も悩んだ。 幼い頃からお世話になっている公文教室のおかげで、ある程度読み書き算数はできるが、難しいことはできない。 過去問を徹底的に調査したが、出来る気がしないし、無理にやらせることにより別の二次障害を発症されても困る。 だが、彼は本気だ、とわかった。 中学校で進路希望調査があるたびに、本人がしっかりと行きたいというのだ。 母、腹を括る。 今はもう中2だ。 試験は、三年生の11月だ。 時間がない。 調べてみれば、特別支援学校専門の塾というのがたくさんあった。 当市にはないが、電車に乗っていけなくはない距離だ。 母は、いくつか塾をピックアップしていたのだが、クラスメイトがその中の一つに通っていると聞く。せっかくいくなら、仲間がいた方がいいだろう。モチベーション維持にも良いかもしれぬ。 手始めに体験に行かせたところ、さすが、先生がプロだった。息子にうまく説明し、能力を引き出す様子を目の当たりにした。 出張でイギリスにいた夫に、時差をやりくりして連絡をとると、 「いいんじゃないか?任せた」 と。 そんなわけで、決断して1週間足らずで、受験がスタートしてしまった。 受かるかどうかはわからない。 だが、この塾で学んだことは絶対に息子の無駄にならない、糧になる。と確信した。 だから、息子の変化を記録していきたいと思う。 学習内容の詳細を書くつもりはない。 一人一人違うから、参考にはならないだろう。 親の心境を書き残しておきたい。
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