魔法使い

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魔法使い

二百年に一度、悪は甦り世界は恐怖に包まれるだろう しかし、悪に対抗するべく者達が、必ず現れ世界は平和を取り戻すだろう 「よ~し。カリス誕生日おめでとう!そんなに豪華な食事じゃないが、いっぱい食べてくれ」 「ありがとう!ウリアン」 目を閉じて手を組みお祈りをする 目を開けるとウリアンが、 「相変わらず、長いお祈りだなぁ」 と笑っている 「だって、いっぱい感謝する事あるからね。じゃあ、いただきます!」 鶏肉に魚に果物… 「どれも美味しい~」 しばらくお酒だけを飲みながら、俺を見ていたウリアンが、 「お前、ほんとに美味しそうに食べるよな」 そう言って嬉しそうに笑う 「だって本当に美味しいよ。ウリアンも、あったかいうちに食べた方がいいよ」 「ははっ。そうだな」 ようやくご飯を食べ出したウリアンが、 「12歳か。俺達が旅をし始めて5年か…。色々あったけど、だいぶお前も頼もしくなってきたな」 はははっ。と笑いながら、少し寂しそうな顔をする 「ウリアン。父さんは、ああ言ってたけど、別に無理して戻って来なくてもいいって意味でしょ?どうしても行かなきゃならない場所も、急いでやらなければならない事もないんだから、一度父さんと母さんのお墓、拝みに行く?」 俺の言葉に、ほんの少し驚いたような顔をしたのに、 「いいや駄目だ。まだお前には教えなければならん事が山のようにあるからな。こんな中途半端で帰ったら、兄さんをがっかりさせてしまう」 溜め息をつきながら、そう言った 「そりゃ俺は、まだまだ一人前じゃないけど、墓参りされて喜ばない人は、いないんじゃない?」 俺の話を聞きながら、ウリアンが後ろの人達に注目するよう、視線を送ってくる 「とうとう隣の国では、人里まで魔物が出てきたらしいぜ?」 「この国だって、いつそうなるかわかんねぇな」 「なんでも、もっと遠い国では、言葉を話す魔物が出るって噂だぜ?」 「どうなってんだよ?もうこの世界は、おかしくなっちまったのか?」 「別に俺達が行かなくても、やらなくても、誰も文句は言わないだろうが…」 「そうだね。これを聞いて戻っちゃったら、確かに父さんに、がっかりされそうだ」 「よし、じゃあ明日は隣の国へ向けて出発だ。いっぱい食べとけよ?」 「うん!」
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