探偵西野と空色のくま

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 雨が降り続いて三日目だけど、まだまだ私は大歓迎を続けていた。  降って降って、いつまでも。このまま続けてさらに三日、それで夏休みを迎えることになればいい。  四十日間のどこかで突然魔法に出会い、人魚のひれを授からんとも限らない。  私が恐れているのは、遠泳実習というイベントなのである。  なに? 遠泳って。 人生において遠くまで泳ぐことってそんな大切?   できなきゃ高校を卒業できないくらい、単位のために補習とかするくらい?   実際船が沈んでみたら、助かったのは泳げない人だったって例もあるのに、前例を完全に無視してる。  あんなの絶対に、先生の趣味でやってる。浜辺に行くの、ピクニックだと思ってる。 ――うおぉっ、転校してしまいたいっ。
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