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「静佳ちゃん、顔怖い」
「まった遠泳のこと考えてるんだろ、あんまり思い詰めない方がいいぞ。オレ、朝ふと思ったんだけど、この雨もしかして小野里の呪い?」
教室の一番端の窓で物思いに耽っているのだから、どんな顔でも放っておいてもらいたいのに、わざわざ覗き込んで文句をつけたこの二人は、友人であるところの向坂芽久嬢と、中尾祐氏。
常に私に助言をぶつけ続ける、ありがたい二人組である。
はー、と音を出して息を吐いて、私は中尾を横目で見た。誰に聞くより、答えが返ってくる可能性の高い相手だ。
「人魚のひれのありか知らない?」
「そうだな。あるとしたらオールブルーだな」
「それどこなの?」
「頼む小野里、しっかりしてくれ」
う。
「私今そーゆー感じじゃないから。言っとくけどっ。海なんか嫌いだーッ」
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