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『ねえ、もう何処かに逃げよっか』
隈を隠し切れない窶れた笑顔が痛ましい貴方は、そう云った。
私たちは、禁忌を犯した共犯者だ。
貴方が秘かに悪事に手を染めていることを知っていながらも、止めることもなくただただ見守ることしかできなかった、いや、しなかったのは罪だ、罰を受けても仕様がない。
貴方に嫌われる位なら、と罪を黙認した私も、充分罪人だろう、裁かれても文句をいえない。
ついに、私たちの犯した罪が警察にバレてしまいそうになった。
それで、逃亡の提案である。
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