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一月の日曜日。
この地域にしては珍しく雪が積もった。
小学五年生の翔太は嬉しくなり、近所の子供たちと、自宅の庭に雪だるまを作った。
そして、だるまから連想した誰かが「だるまさんが転んだ」をやろうと言い出し、じゃんけんの結果、翔太が鬼になった。
翔太は、塀に向かって鬼の態勢になり第一声を発した。
「だるまさんが転んだ !」
こうして、まだ雪が降り続ける中「だるまさんが転んだ」が始まった。
そして、何回目かに振り向いた時、翔太は、ある事に気付いた。
雪が止まっている。
翔太が振り向いた時、みんなと一緒に、振り続けている雪もだるまさんが転んだをやっている様に、空中でピタッと止まっていた。
見間違いだろうか・・・
確認の為に、翔太は、もう一度
「だるまさんが転んだ !」
と言って振り向いてみたが、やはり、雪も止まっていた。
なんて律儀な雪なんだろう。
そんな事を考えていると。
・・・あれっ !?
翔太は、もう一つの異変に気付いた。
雪だるまが、みんなにつられて、ちょっとずつ近付いて来ていた事に・・・
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