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おれは両手に力をこめた。
おれの手のなかで、須藤憂紀の、白く、細いのどがゆがんでいく。
憂紀が口をぱくぱくと開き、手をおれの腕に打ちつける。丸いメガネがふっとんで、床に転がった。憂紀のかわいらしい顔を、いかにも文学少女ですというふうに見せていたメガネだった。
もちろんおれは、手の力をゆるめることはしない。
もがく憂紀ののどを、確実に締めあげていく。
ぐにゅりとした感触が、手のひらに伝わる。
(やはりな)
と、おれは思った。
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