1話 新生活の始まり

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 散歩を終えて、僕は新しい住処となるアパートに帰ってきた。 『ハイツ小早川』  二階建てで各階二部屋だけの小さなアパート、その一階101号室が僕の部屋だ。玄関を入ってすぐ左手にキッチンがあり、右手にはユニットバスとトイレが並ぶ。奥に六畳間のワンルームがあるのだが、ベッドやテーブルなどは設置されているとはいえ、まだ物は少なくシンプルだ。絨毯やカーテンを青系で統一して、実家よりも少し大人びた部屋になったと自負している。  玄関に倒れていた段ボールの束を壁に立てかけ直しサンダルを脱いであがった僕は、キッチン脇に置いた一人用の小さな冷蔵庫からコーラを取り出して喉を潤す。喉を刺激ある炭酸が通り抜け、スキッとした気分で部屋に入り、ベッドに座って息を吐く。窓からは夕日が差し込んでいた。
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