伍 神話舞

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乾いた空気にくすくすと誰かの笑い声が振動する。 床に着いた手と膝にじんわりと痛みが広がっていく。 これまで無視されたり嫌味を影から言われることはあったけれど、直接こうして悪意をぶつけられることは無かった。 驚きと困惑と、それを上回る悲しさに唇が震えた。 恥ずかしい、逃げ出したい。 私はそんなに悪いことをしたんだろうか。 悔しい、腹が立つ。 どうしてこんなに悪意に晒されなければいけないんだろう。 床の上で手を握りしめた。その時。 「惨めったらしくうつむくのはやめろ」 顔の前にすっと手が差し出された。
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